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旅と写真と物語と

"かわいい"だけの旅じゃ物足りない。世界史知識、美術史知識ゼロからのできるだけ楽しく、世界をもっと学ぶための記録(になる予定)

ドイツに行く前に読む本③

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今月何がなんでも見に行く!と決めていた“君の名は。“を見てきました。

前評判どおり,映像も音楽もストーリーもよかった!

でも,あと10年,せめてあと5年。

RADの歌に素直に共感して,前世とか運命の恋だとか,そういうことをもっと“あるかもしれない”って受け止められる時期に見ていたら,もっと感動したんだろうな,というのが残念でもあり。あー,私も大人になったんだなーと寂しくも感じた。

 

同じようにもっと早く,高校生くらいの時に出会いたかった本として,紹介したいのが,

夜と霧‐ヴィクトール・E・フランクル 

夜と霧 新版

夜と霧 新版

 

 自らユダヤ人として強制収容所に囚われて,生還した心理学者が語る“中から見た強制収容所”の話です。

名前は聞いたことがあったけど,今まで読む機会がなかった本。

主人の実家にあり,帰省時に拝借してきましたが,想像していたより,厚みもなく,読みやすかった。

 

バトルロワイヤルとかが話題になった時から,思っていたんだけど,もし自分がバトルロワイヤル的状況やアウシュヴィッツ収容のような状況におかれたら。

そんな自由もなく恐怖しかない状況になったら,1日も早く死にたいと思うだろうな,と思っていた。

体をうじ虫が這いずり,靴もやぶれて,ごはんも食べれず,真冬の雪降る中強制労働させられ,しかもいつ解放されるかわからない。

そんな状況で1日長く生き続けるより,いっそ自殺でもガス室でも送られて,さっさと死んじゃったほうが,幸せなんじゃないかと思う。 

 

 でも,著者は,苦しみ抜いて死ぬ直前のような状況の中で人間的な崇高さに達した人を紹介する。しかも,単なる崇高さではなく,ごく普通の生活をしていたら,達しなかったであろう崇高さのレベルまでに達した人々。

 

楽しいだけが,意味のある人生じゃない。

苦しい状況でも,人生には意味があることを教えてくれます。

(といっても,強制収容所での生活は絶対に勘弁だけれど)

わたしたちは学ぶのだ。この世にはふたつの人間の種族がいる,いや、ふたつの種族しかいない,まともな人間とまともではない人間と,ということを。この「種族」はどこにでもいる。まともな人間だけの集団も,まともでない人間だけの集団もない。したがって,どんな集団も「純血」ではない。監視者の中にも,まともな人間はいたのだから。

ーP145

 

わたしたちは,おそらくこれまでのどの時代の人間も知らなかった「人間」を知った。では,この人間とはなにものか。人間とは,人間とはなにかをつねに決定する存在だ。人間とはガス室を発明した存在だ。しかし同時に,ガス室に入っても,毅然とした祈りのことばを口にする存在でもあるのだ

ーP145

 

自分が監視者になった時に,当たり前のように毎日ユダヤ人を始末する麻痺した状況の中で,最低限のモラルをもったまともな人間でいられるか。

自分が収容者になった時に,保身のために,同胞のユダヤ人を監視し暴力行為を行うカポーにならずにいられるか。。。

 

単に,強制収容所についてその悲劇を学ぶだけではなく,人生の意味やまともな人間とは何か,考え直す良い本です。

秋の夜長にいかがでしょうか?

 

アウシュヴィッツは,ポーランド

 著者のフランクルはオーストリアの精神科医ですが,

 ナチスドイツということで。ドイツに行く前に読む本として紹介しています。

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 過去ドイツ関連の記事はこちら⇒

akoko.hatenablog.jp